ロボット導入で搬送スタッフ3名から2名に省人化。部品管理に専念できるようになり、5S意識も向上
| URL | https://www.kyowa-cab.co.jp/jp/ |
| 住所 | 〒924-0021 石川県白山市竹松町2810番地 |
| 業界 | 建設機械や農業機械等のキャビン専門メーカー |
| 従業員数 | 461名 |
| 導入エリア | 部品ストックヤードから艤装ライン |
| 活用シーン | 新工場から本社工場の各艤装ライン配達エリア(14箇所)への部材運搬 |
| 走行距離/日 | 約5km |
| 稼働時間/日 | 2.8時間 |
| 課題 | ・1日中、部材運搬だけの業務を行う従業員の負荷を削減したい ・人でなくてもできる作業を自動化したい |
| 導入後の効果 | ・部材を運ぶ移動回数の大幅削減と省人化(3名→2名体制に) ・ロボットが走行できるように通路の整理整頓意識が高まり5S促進効果 ・運搬していた従業員は部品管理などの業務に専念できるように |
石川県白山市に本社を構える共和産業株式会社は、建設機械や農業機械のキャビン製造の専門メーカーである。プレスから塗装、艤装までを自社で行う一貫生産体制を強みとし、世界的な建機メーカーを支える高い技術力を有している。現在は新工場の竣工を機に、ロボット活用による製造現場の自動化・効率化を積極的に進めている。
今回は共和産業株式会社の艤装製造部の山口さま、安田さまと川端さま、改善担当の北村さまにロボット導入の経緯や活用方法についてお伺いした。
最新AMRの導入で念願の運搬業務の自動化と省人化を実現

川端さま「同社では部材を運ぶ運搬作業が非常に多いです。1日中運搬のために移動したり、数百キロもある台車を動かすなど、現場の身体的負担が大きな業務を削減し、効率化を図りたいと長年の課題に感じていました。
実は9年前から自動化を模索し、当時のAMRを試しましたが、センサー性能が低いためか自己位置の認識力が甘く、工場の複雑な環境では思うように動かずに導入を断念した経緯がありました。」
そんな中、同社では組織編成に伴い、物流部門が解散し、部品供給機能が艤装製造部に統合され、変革期を迎えたことや、川端さまが飲食店で配膳ロボットを見かけた際に「工場でも使えるのではないか」と発想の転換から検討が始まり、まずはネコ型配膳ロボット「BellaBot」でデモを行った。
山口さま「かつて試したAMRで課題だった自己位置の推定精度が格段に向上しており、人や物が混在する環境でも迷わず、描いた地図通りに正確に走り切る性能に驚きました。さらにコスト面でも、運搬に従事するスタッフの時給を1,800円と仮定した場合、ロボットの稼働コストは1時間あたり約400円と圧倒的な差があり、人件費削減という明確なメリットも導入を強力に後押ししてくれました。」
長距離の部材運搬をT600で自動化し「人にしかできない業務」への集中と工場内の5S意識改革を達成
同社の製造工程では、部品庫から本社工場の各艤装ラインまで14箇所の生産ラインエリア間で、片道150〜250メートルにおよぶ長距離の部材運搬を自動化している。
北村さま「当初トライアルとして導入した 『BellaBot』は、将来的に工場内のシステムとロボットを連携させる構想があるため現在は開発用として活用しており、実際の現場での部材運搬には、『BellaBot』よりも重量があるものや部材を大量に運ぶことができる『PUDU T600』を活用しています。」
安田さま「『PUDU T600』が朝から夕方まで稼働し、ボルトやナットなどの小物部品を10〜20キロ程度載せて1日で合計5〜6キロもの距離の運搬を代替をしています。
以前はスタッフがこの距離を何度も往復していましたが、現在はロボットがその役割を担っています。操作も非常に直感的で、現場にスムーズに馴染んでいます。
また、現場のスタッフからは『ロボットが大量の部品を一度に運んでくれるので疲労感が全く違う』といった声があり、従業員の身体的負荷削減に繋がっています。運搬以外の部品管理など人にしかできない業務に集中できるようになったことも効果として感じています。」
山口さま「導入にあたり、デモ時のクラウドデータを活用して効果測定を行いました。ロボットの稼働率を人間の時給(派遣社員の時給1,800円)に換算して役員へ説明したところ、約1年で投資回収できる見込みであることが分かり、非常に驚きました。」
導入から時間が経過し、現場ではロボットが当たり前の存在として定着し、副次的な効果も現れている。
山口さま「また、意外な効果だったのは、工場内の整理整頓に対する意識が向上したことです。ロボットがスムーズに走行できるよう、通路に物を置かないという意識が自然と定着しました。さらに、ロボットが音楽を流しながら走行することで、工場の雰囲気が以前よりも明るくなったと感じます。」
この取り組みを会社のホームページやFacebookに掲載したところ社内外から大きな反響があり、他部署からも導入を希望する声が上がるなど、組織全体にポジティブな変化をもたらしている。

同社のInstagramにもロボットが稼働する様子がアップされている。 投稿はこちら
牽引機能の活用とさらなるDXの推進

山口さま「今回の導入で業務効率化の確かな手応えを得られました。今後は『PUDU T600』の新しい機能を活用し、重い台車を丸ごと運搬する自動化にも期待しています。現在は専属の人員が1名、重い台車の運搬に張り付いていますが、ここを自動化できればさらに大きな効果が生まれるはずです。
また、並行して『BellaBot』を用いた社内システムとの連携開発により生産進捗に合わせてロボットが自律的に動く、より高度な工場DXを目指したいと考えています。」
製造現場での配膳・搬送ロボット活用はまだ新しい試みだが、同社の「飲食店向けロボットを工場へ」という柔軟な発想は、人手不足に悩む多くの製造業にとって、現状を打破する強力な指針となるだろう。
DFA Roboticsでは、今後も共和産業さまにおける安定した運用に向けて伴走支援を行っていく。
▼今回ご紹介したロボット
搬送ロボット「PUDU T600」
ネコ型配膳ロボット「BellaBot」





