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人とロボットが協力して店を盛り上げる!配膳ロボットと自動調理システムが叶える、新しい飲食店の可能性
ROBO DINING 手延べの掟は、2023年7月、兵庫県姫路市にオープンしたそうめん専門店だ。ROBO DININGというだけあって、ロボットの自動調理システムにより「人が作るよりも美味しいそうめん」を提供する。
人とロボットの協業をコンセプトに掲げる同店は、ホールで活躍する配膳ロボットの導入もオープン前から決めていた。60席の客席をカバーするために導入したシンプル設計の多機能配膳ロボット「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」1台が、まさにコンセプト通りの働きを見せている。
【お話を伺った方】
株式会社イトデンエンジニアリング
ROBO DINING手延べの掟
代表取締役 伊藤 寿様(以下、「伊藤様」)
【導入店舗紹介】
ROBO DINING 手延べの掟(兵庫県姫路市)
https://tenobe-no-okite.com/
ロボットによる自動調理システムを採用した、そうめん専門店。
美味しいそうめんの決め手となる茹で上がりの際に、ロボットが“短時間で洗いながら同時に締める”ことでこれまでにないのど越しを実現し、人が作るよりも美味しい1杯を提供する。
オーダーは、各テーブルに備え付けのタブレットから直接調理ロボットへ。そうめんの銘柄から茹で加減、量やトッピングまで自分好みのそうめんをカスタムできるエンタテインメント性にも富んでいる。
ROBO DININGとしてのブランディング確立には、配膳ロボットの配置は不可欠だった
ROBO DININGという冠の通り、人とロボットが協業する形で店舗を運営している。
厨房にはそうめんをマイクロジェットで洗うロボット、超音波による冷水でそうめんを締めるロボット、そしてかつお節を8ミクロンの薄さで削るロボットを導入。
いずれも人にはできない領域を極めた技術を搭載しており、同店が掲げる「本当に美味しいそうめん」づくりに寄与している。
ホールに配膳ロボットを導入することも、店舗の構想段階から想定していたという。
伊藤様「ホールに配膳ロボットを導入するのは、“人とロボットの協業”というコンセプトにぴったりだと思っていました。店舗スタッフの人数についても、配膳ロボットを頭数に入れて設定しようという話も出ていました。展示会にも参加し、さまざまな会社さんから話を伺いましたね。DFA Roboticsさんとの出会いは、大阪ガスのハグミュージアムでした。何度か打合せを重ねる中で、運用方法やロボットのサイズ感、店舗のキャパシティを検討した結果、導入に至りました。」
「Pudubot2」が薬味を乗せてテーブルを巡回。お客様とのコミュニケーションのきっかけに
オープンの段階から配膳ロボットの導入を決めていた同店。座席数60席を誇る大型店舗ということで、トレイの増設が可能なシンプル設計の多機能配膳ロボット「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」を1台導入した。
当初の予定では、配膳、下げ膳を中心に「Pudu bot 2(プードゥーボットツー)」を活用する予定だったが、実際にオープンしてからは少し違った役割を果たしている。
伊藤様「オープンに向けて店ができていくにつれ、当初の予定よりも内装がだいぶシックな造りになったんです。お客様の動きを第一に考えると、配膳ロボットが効率的に動ける導線が取れなくなってしまって。オープンして間もない現在は、「Pudu bot 2(プードゥーボットツー)」には薬味を乗せてテーブルを回ってもらったり、お客様に伝えてほしい情報をプログラミングしてアナウンスしてもらったりするという活用方法に変更しました。」
オープンから1ヵ月ほどが経過し想定とは違った活用方法になったが、配膳ロボットを導入した意味は大きいという。
伊藤様「人とロボットの協業という、ほかの店にはないブランディングを確立するために、厨房だけでなくホールにもロボットを配置することに意味がありました。特にお子様は、「Pudu bot 2(プードゥーボットツー)」が動いているところを見て喜んでくださいますし、お客様の反応を見る限り配膳ロボットに興味を持たれている感じがします。配膳ロボットが止まっていたりすると、「ロボットは動かないのですか?」という質問があって、そこでお客様とのコミュニケーションが生まれます。
お客様が帰られた後は1度にまとめてお皿を下げることができるので、その点で非常に重宝しています。今後は、DFA Roboticsとともに運用方法をブラッシュアップして、スタッフの負担削減にも取り組んでいきたいです。」
人とロボットが力を合わせて盛り上げる、新しい飲食店へ!
最大7段までトレイの増設が可能な、シンプル設計の多機能配膳ロボット「Pudu bot 2(プードゥーボットツー)」。ROBO DINING 手延べの掟では、この強みをより活かすような運用方法を現在模索中だという。
伊藤様「まだオープンして間もないので、「Pudu bot 2(プードゥーボットツー)」の運用方法については模索中です。店内の導線やお客様の動きも考えながら、より効率良く使う方法をDFA Roboticsと相談していろいろ試行錯誤しています。直近では、厨房だけでなくホールにもロボットを配置したので、“人とロボットが協力して盛り上げていく飲食店”というブランディングを強く押し出していきたいですね。
ロボットがいろいろな作業を担ってくれる分、人の手がかかる割合が少なく業務負荷を削減できています。そのため、そうめんの銘柄についての説明やおすすめ商品のご案内など、お客様との双方向のコミュニケーションをスタッフが丁寧に行うことで、他の店にはない付加価値を高めていきたいと思います。今後は、当店オリジナルの「創麺」(創作そうめん)を充実させたり、夜はコース料理も提供したりしていきたいので、新しいメニューの訴求にも力を入れていきます。」