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人とロボットの分業で、
サービス品質は担保したまま業務効率の向上・身体的負荷の軽減に寄与
宮崎県宮崎市の東海岸、太平洋に面した緑豊かな黒松林の中に広がるフェニックス・シーガイア・リゾート。そのフラッグシップホテル、シェラトン・グランデ・オーシャンリゾートに隣接するシーガイアコンベンションセンター内の「料亭 四季乃」は、大切な人との会食や宴会の場として使用される大小8つの個室で構成されているが、運営している側はスタッフの高齢化や慢性的な人手不足という課題を抱えており、また、お客様に直接おもてなしを行う以外の業務を簡略化・省人化したいと感じていた。その時、DFA Roboticsの販売パートナーである三保電機株式会社・東芝テック株式会社の紹介で配膳ロボットを知り、2023年2月にテスト導入を開始。結果、業務効率の向上を実現し、配膳や備品の運搬用として2023年4月にシンプル設計の多機能配膳ロボット「Pudu Bot2(プードゥーボット2)」2台を本導入した。
【お話を伺った方】
フェニックス・シーガイア・リゾート
シーガイアコンベンションセンター
宴会支配人 久保 健太郎様(以下、久保様)
【導入店舗】
フェニックス・シーガイア・リゾート
シーガイアコンベンションセンター
料亭 四季乃
https://seagaia.co.jp/rbs/rb/scc/164
日本の宮崎県宮崎市に位置する大規模なコンベンションセンター。2023年にはG7宮崎農業大臣会合の会場としても使用された。フェニックス・シーガイア・リゾート内にあり、国際会議をはじめ企業による大型MICE団体やパーティー、婚礼など多彩なお客さまを受け入れる施設として運営している。シーガイアコンベンションセンター内の「料亭 四季乃」は畳敷きの大小8部屋の個室を用意しており、数寄屋造りの落ち着いた空間のため接待や会合などにも利用されている。
人手不足・サービス品質の変化を見据え、“人とロボットの分業”を実現
販売パートナーである東芝テック株式会社を経由し、テスト導入の依頼を受けたDFA Roboticsは、フェニックス・シーガイア・リゾートに対してファミリー層に人気のネコ型配膳ロボット「Bella Bot(ベラボット)」とシンプル設計の多機能配膳ロボット「Pudu Bot 2(プードゥーボット2)」を提案。
どちらも、厨房から各宴会場のホールスタッフの元まで料理を運ぶ、いわばランナーのような作業をテストすることとなった。
久保様「料亭 四季乃」は懐石料理などの日本食を提供しており、コンベンションセンターで行われた会議・イベント後の会食や宴会で使用していただくことが多いです。ビジネスの場として利用されるため、接客やゲストコンタクトといった部分は特に品質向上に努めています。さまざまなシーンを想定した大型施設なのでバックヤードも広大なスペースを確保しており、料理を作る厨房から個室まで距離も比例して大きくなっています。そのため料理を運ぶ作業が必要となり、どうしてもお客様の元を離れてしまう場面がありました。また、サービス業の人手不足が深刻だと言われている中で、働いてくれているスタッフの高齢化も進んでおり、弊社の店舗運営を中長期的に見た時に、人がやらなくてもいい軽作業は削減したいと思っていました。
そんな時、社内のIT部門から配膳ロボットのデモ体験について紹介され、複数社にテスト導入を依頼することを決めました。」
他社も含め3種類の配膳ロボットのテスト導入を行ったフェニックス・シーガイア・リゾートは、2023年3月、DFA Roboticsからシンプル設計の多機能配膳ロボット「Pudu Bot 2(プードゥーボット2)」2台の導入を決めた。
その決め手は、「Pudu Bot 2」の積載量や走行性、そして、DFA Roboticsのサポート力だったという。
久保様「元々配膳ロボットは、1,000名規模の大きな洋式宴会場での使用を想定していました。ただ、広大な会場で使用するとなると10台以上の稼働が必要で、その規模での運用効率の担保が難しいという事でしたので、まずは料亭 四季乃で試してみよう、という話で三保電機株式会社・東芝テックとDFA Roboticsへ設置・導入を依頼しました。」
手厚いサポート体制によりDFA Roboticsでの配膳ロボット導入を決意
久保様「テスト導入を行うにあたり、ロボットには裏方の仕事である厨房から個室の裏口までのランナー役を担ってもらうことにしました。その場合、お客様の目に入る場所での業務はスタッフが担当するため、コミュニケーションが取れる「Bella Bot(ベラボット)」ほどのエンタメ性は不要なので、トレイが大きく走行性も安定している「Pudu Bot 2(プードゥーボット2)」が最適であると判断しました。
ロボット本体以外での決め手で言うと、DFA Roboticsは“希望を踏まえて最適な運用を実現してくれる”ので、その知見やサポート力は魅力的に感じました。
どこを走行するのか、どの位置で停止するのか、停止した時の角度など、DFA Roboticsが設置したロボットは、私の思い描いていた活用ができています。
地図の読み込みトラブルも少ないので、最初に行う設置・導入の知見・技量はとても重要だと実感しましたね。」
(左)美しく盛り付けた料理を「Pudu Bot 2(プードゥーボット2)」へ載せる厨房スタッフ
(右)「Pudu Bot 2(プードゥーボット2)」によって厨房から個室裏まで運ばれた料理を提供する仲居さん
久保様「テスト導入を続けるうち、利用するスタッフにもさまざまな反応がありました。特に、厨房スタッフは、どうトレイに載せるのが効率的か、といった風に何かしらロボットに興味を持って取り組んでいます。ロボットが運んだ料理が、きれいな盛り付けのまま崩れることなく、ちゃんとお客様にご提供できている、というのも好印象だったようです。
ホールスタッフに関しては、ランナーとして料理を運んだり、翌日の準備用に備品を運んだりという作業をロボットに任せることで、労務の軽減につながると確信していました。
テスト導入を進めるにつれ、ロボットの走行トラブルやロボット同士がすれ違う際の微妙なズレが修正され、おおかた料亭 四季乃での理想通りの運用が実現できたため、2023年3月、DFA Roboticsより、配膳ロボットの本導入を決めました。」
DFA Roboticsと、より身体的負荷の高い宴会場での活用を目指す
フェニックス・シーガイア・リゾートは、今後の店舗運営を見通した上でスタッフの業務負荷を削減するべく、DFA Roboticsとともに、当初検討していた収容人数1,000名規模の大きな洋宴会場へのロボット導入を目指している。
久保様「シンプル設計の多機能配膳ロボット「Pudu Bot 2(プードゥーボット2)」を2台導入してから、普段の業務は大変助かっています。
ですが、私たちの最重要課題は大きな宴会場の労務削減です。シーガイアコンベンションセンター内の洋宴会場の中には、国内でもトップクラスに広い会場もあります。そのような会場でもゲストコンタクトを重視すると、スタッフは担当する業務も、活動範囲もその分増えてしまいます。
その対策としてロボットを活用し、業務負荷の軽減する省力化と、人手不足に対応する省人化を実現したいと考えています。今後もDFA Roboticsに協力を仰ぎつつ、人とロボットの共生により、誰でも働きやすい環境への変革に取り組みたいと思います。」