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ホテルでも配膳ロボットが活躍!
ロボットありきの店舗運営によりスタッフ一人分の業務工数を削減
京王プラザホテル札幌は、JR札幌駅から徒歩5分という好立地にある、札幌市でも有数のシティホテル。アフターコロナの時代となり、国内外からの旅行客が増えてきた頃、宴会場や広い会場での労働負荷を削減するために配膳ロボットの導入を検討。DFA Roboticsとの打ち合わせを重ね、食事会場での配膳用として、シンプル設計の多機能ロボット「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」2台の導入を決定した。結果、厨房からホールまでのランナーをロボットに任せるオペレーションを構築し、配膳の約9割をロボットが担当。スタッフはお客様への接客に注力できる環境が構築され、スタッフ一人分の業務工数が削減された。
【お話を伺った方】
京王プラザホテル札幌
加賀谷 様(以下、「加賀谷様」)
【導入店舗】
京王プラザホテル札幌
https://www.keioplaza-sapporo.co.jp/
JR札幌駅より徒歩5分の立地にあるシティホテル。“楽しく、おいしく、幸せなひとときのために”というブランドプロミスを掲げ、シリワール(北海道の土地の個性)を育むため、館内には多数のアートが飾られている。北海道産食材を使った料理・道産ワインや地酒を用意しており、宴会や挙式、レストランなどさまざまなシーンで選ばれ続け、旅行客だけでなく、地元のお客様にも愛されている。
配膳全体の9割をロボットに任せるオペレーションを構築
京王プラザホテル札幌は市内でも有数のシティホテル。地の食材を使った料理やお酒が好評で、地元のお客様からも愛されている。アフターコロナからは、インバウンドや国内の旅行客の受け入れが多くなり、より多くのお客様におもてなしができるよう、朝食会場を一つ増やすこととなった。しかしその分、スタッフ一人当たりの業務負荷が増えることが予想されたことから、「人にしかできないおもてなし」に注力できる環境づくりのため、配膳ロボットありきの店舗運営を目指した。
加賀谷様「京王プラザホテル札幌では、この地に根差した文化や一足先の北海道の魅力を“シリワール”(北海道の土地の個性)と名づけ、地元の皆様とともに育んでいます。お越しいただいたお客様にはゆったりとした時間を過ごしていただきたく、人にしかできないおもてなしにも注力していました。昨今では旅行支援割など旅行が推進されるようになり、インバウンド需要も回復していたのですが、肝心のおもてなしをするスタッフが不足していたんです。
そんな時、展示会でDFA Roboticsが展示していた配膳ロボットを見つけました。配膳ロボットといえば、人の代わりに料理を提供するイメージでしたが、実は下げ膳や運搬でも活用できるとうかがい、スタッフのその浮いた時間をおもてなしや他の業務に利用できると感じ、テスト導入を決めました。」
2023年5月、京王プラザホテル札幌は、DFA Roboticsよりシンプル設計の多機能ロボット「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」2台のテスト導入を開始した。
スタッフは持ち場を離れず接客を続けられるように
(左)厨房で「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」に食事を乗せ、操作するスタッフ様
(右)ホールで「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」から食事を取り、お客様へ提供するスタッフ様
DFA Roboticsは、配膳メインではなく下げ膳、運搬で活用したいという当初の希望を受け、シンプル設計の多機能ロボット「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」2台の運用を提案。テスト導入を行った。
「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」は、1段1段幅の広いトレイを備えており、合計40kgまで運搬が可能だ。
走行性も高く、汁物が溢れるといったハプニングがなかったのはもちろん、既存の大きいお盆もなんなく載せることができる大きなトレイによって、配膳でも活用が可能と判断され、京王プラザホテル札幌は「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」導入直後から、配膳メインでの活用を決めた。
加賀谷様「当初は下げ膳での活用を視野に入れていましたが、「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」は絨毯の凹凸による汁物の揺れも少なく、ルートごとに速度変更が可能のため、段差を乗り越える時は遅く、その他移動する時は速く、といった設定も可能でした。これなら配膳も可能だとわかったので、厨房からテーブル横まで食事をお持ちする「ランナー業務」メインで活用することにしました。
ロボット自体は簡単な操作だけで動くので、テスト導入中から7、8割の配膳を任せていました。配膳後に近くの卓の下げもの回収としても使用できるため、使い勝手が非常に良いです。
テスト導入時には、食事会場で活用するための様々な設置条件をDFA Roboticsと決めました。
・スタッフが作業しやすい待機位置
・ホールスタッフが料理を取りやすい停止位置・角度
・段差で汁物がこぼれない走行速度
など、細かく設定し、その変更方法まで説明してもらったので、操作方法を学ぶこともできました。」
本導入後、京王プラザホテル札幌ではスタッフの業務効率向上により、省人化が実現したという。
加賀谷様「「Pudu Bot2(プードゥーボットツー)」を2台導入したことで、配膳の9割を配膳ロボットが担当し、スタッフの省人化も叶いました。それぞれ持ち場を離れず業務を続けられるようになり、同規模の食事会場を運営するために必要な人数から、1名少ない人数で運営できています。お客様への接客品質は変えずに省人化が実現でき、採用難が続くホテル業界の課題対策として、新たな一手だと感じています。」
さらに、DFA Roboticsからは充電方法や操作方法などがまとまった業務手順書を共有されたので、業務中に操作するスタッフもすぐに使いこなせるようになりました。個人の年齢や能力問わず、ロボットを活用した店舗運営が可能だと分かったことで、本導入を決めました。」
活用の場を増やし、料飲部門全体で業務効率向上を目指す
京王プラザホテル札幌は今後、現在配膳ロボットをフル活用している朝食会場・昼食会場の他、夕食会場まで利用エリアを広げ、料飲部門全体での業務効率向上を目指す。
加賀谷様「現在、朝食会場の22階で2台、昼食は1台を地下1階へ移動させ昼食会場で活用しています。昼食時は複数個所の調理場で作った商品を一つのお膳に組み立てて完成させる料理が多く、各調理場へ料理を取りに行く必要がありましたが、現在はその業務を配膳ロボットが代替しています。そのためスタッフが調理場に張り付く時間が削減され、お客様への接遇時間を増やすことができました。
そして、北海道はこれからレジャーシーズンとなります。観光で来られるお客様は増える見込みですので、今後はまだロボットを使っていない地下1階の夕食会場でもフル活用し、スタッフの業務効率向上を目指したいです。こちらの設置・導入に関しても、これまで通り、DFA Roboticsとともにオペレーションの整備から、細かい部分まで設計していきたいと思います。」