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【ロボインサイト Vol.2 前編】投資事業会社代表が見据える、国内外スタートアップ・投資の潮流と変化
■「ロボインサイト」番組について
DFA Roboticsが運営する 特別対談シリーズ『ロボインサイト』は、ロボット、AI、最新技術など、DFA Roboticsを取り巻くさまざまな業界における企業の代表をゲストとして迎え、当社代表の波多野がインタビューし、事業内容や創業背景を交えながら、ロボットにまつわる業界の裏側、得意領域の潮流や展望などを元に“私たちのすぐそばにある未来を視る”番組です。インタビュー記事は、DFA Roboticsホームページ及び代表・波多野のnote(https://note.com/masaonly1/)にて掲載いたします。
今回は、DFA Robotics創業以前から波多野と交流のある、創業期のスタートアップから出資・成長支援を行う株式会社サムライインキュベートの代表取締役 榊原氏との対談の様子(前・後編)をお届けします。
DFA Robotics創業以前から「二人でスタートアップ企業の隣で支援」
DFA 波多野:榊原さん、お久しぶりです。まずは自己紹介と御社の事業内容について、改めてご紹介お願いできますか?
サムライ 榊原:はい、サムライインキュベート代表の榊原と申します。よろしくお願いいたします。
当社は、約15年前の2008年3月に設立していて、「できるできないでなく、やるかやらないで世界を変える」というミッションを掲げています。
起業家さんが、アクションすることで大きく世界を変えていくという流れを支援するべく、創業期〜シリーズAのスタートアップを中心に出資・成長支援する「ベンチャーキャピタル事業」を行っています。現在、日本とイスラエルとアフリカのエリアで累計240社以上に投資をしていて、7割程度は日本の企業です。波多野さんもそうですが、私たちもまた、起業家さんを通じて世界を変えるということを目指しています。
DFA 波多野:ありがとうございます。僕が榊原さんと初めてお会いした頃は、メガホンを持ってピッチしていたイメージですが、あれはまだやっていらっしゃるのでしょうか?
サムライ 榊原:いえいえ、今はもう。会社設立からしばらくは、日本で起業家を生むようなエコシステムがなく、僕が先頭に立って「世界を変えるからみんな助けてくれ」っていうのを伝えていくために拡声器は象徴的なものでした。波多野さんと出会ったのは、会社設立から3年経った2011年頃で、ちょうどその頃に日本初の起業家向けコワーキング施設を天王洲アイルに作ったのですが、スポンサーをしていたのが波多野さん。そこから繋がりが生まれました。
DFA 波多野:2011年頃だと、私は楽天で働いていましたね。スタートアップインキュベートの部門にいて、まずはスタートアップ企業と知り合いにならないと始まらないということで、サムライインキュベートにも席を置き、楽天での仕事を続けていました。
サムライ 榊原:それから数年後、波多野さんからDFAで出資を受けたいと話をもらって、それから二人でさまざまなピッチイベントに登壇したりしましたよね。さらに、二人でスタートアップ企業の横に立って、支援を続けていました。
波多野さんは上手いこと、いい意味で私たちのことを使い倒しましたよね。そこはうまくシナジーがあったなと思います。
DFA Robotics創業後もサムライインキュベートが全力でサポート
DFA 波多野:本当に、サムライインキュベートがなかったら今のDFAがないと思っています。
サムライ 榊原:ちょうどアクセラレータープログラムの支援をサムライがやり始めた時ですね。国内でも初期の頃にやっていたわけですが、日本郵便さんとの取り組みは、日本の中でもインパクトが大きかったんじゃないかと。
DFA 波多野:あのプロジェクトに、DFAを採択していただいたのはとても強かったです。ちょうどよいタイミングで、当社が取り扱っているイタリア製の自動配送ロボット「YAPE」の機体もありましたしね。
今考えるとありえないぐらいマニュアルな技術でやりきった覚えがあります。
サムライ 榊原:当時、一緒に参加していたオプティマインドさんや、翌年に参加されたラピュタロボティックスさんも皆さん成功されてますよね。
皆さん、10~30億円単位で資金調達しているようで。B2BのDFAのような商材は、色々なところにとても紹介しやすかったです。
DFA 波多野:「サムライの榊原さんに言えば、絶対に誰かにつないでもらえる」というイメージは今もあります。とてもありがたいことに、大手企業でも、本当に100%紹介いただけるんです。紹介いただいた手前、逆にもしクロージングしなければご迷惑をかけてしまうと思い、必死にやり遂げ続けましたね。
サムライ 榊原:波多野さんからどんなボールが飛んできても打ち返せるように、僕も必死でしたよ。おかげで、かなり自信もつきました。基本的には、国内であれば全ての人に繋げられるというのをモットーにしています。
「日本もどんどん売って、買っていくべき」国内外スタートアップ・投資の潮流と変化
DFA 波多野:今の投資規模はどれくらいの企業が多くなってきましたか?
サムライ 榊原:昔は500万円程度から始まることも多くありましたが、現在は平均約5,000万円です。1社あたりの上限は約5億円程度まで。それだけ、スタートアップの価値が高まっている証拠ですし、昔と比較すると大体10倍に変化しています。
さらに、企業も年々レベルが高くなっており、狙う分野も日本からグローバルに出ていくようなものが増えているため、バリュエーションも上がっています。
最近は協調投資することが非常に多くなりました。次のステージで私たち以外のVCに入ってもらってリードを取ってもらうことも増えました。
DFA 波多野:なるほど。最近で印象的だった企業はありますか?
サムライ 榊原:最近だと建築専門のロボットやソリューションを提供している企業です。ニッチな分野ですが、おそらくシェアは一番になると思います。
それでも、ロボット導入による業務効率化は1.5倍程度。伸び代はまだまだありますね。
DFA 波多野:ロボットを人の代わりに活用するとなると、コストイメージは従来の十分の一ぐらいが最低限必要ですね。
当社のロボットも時給換算で200円ぐらいですから、一見インパクトはないように感じますが、グローバル展開もすぐに目に浮かぶし、便利なので、最終的にはコスト削減につながると思います。
建築関係で言うと、DFA Roboticsは鹿島建設さんとも取引があります。いずれは建設会社さんと協働で、ロボットフレンドリーな建物を作っていこうと話しているところです。建築専門のロボットやソリューションを提供されているとなると、シナジーはありそうですね。
サムライ 榊原:ただバリュエーションがとても高くても、いまはIPO市場があまり良くないのが懸念ですね。特に最近は、ダウンラウンド関連の相談がたくさんあります。
DFA 波多野:当社もM&Aされましたが、ここからIPOもやり遂げたくて、実はナスダック(NASDAQ)を考えているんです。IPOにかかるコストと時間が個人的には日本は大きすぎるなぁと思ってて、上場までに3年くらいかかるかもしれないし、上場したとしてもあんまりバリューがつかないかも、ということで、半年でナスダックに行きたいと思っています。
最近のスタートアップ企業は、このあたりどうでしょうか?
サムライ 榊原:日本のマーケットだと、まだ出てくることは少ないです。100億円前後が平均で、IPOを止めてしまっている会社も多いですね。何回も掘って、もう一回上場する前に調達して、1000億円で上場する、といった会社はやはり少ない気がします。
DFA 波多野:海外の市場はいかがでしょうか?
サムライ 榊原:サムライインキュベートはアフリカとイスラエルでも事業展開していますが、アフリカは本当にこれからで、EXITしようとしている企業が増えている感じです。イスラエルはまだ上場企業は少ないですが、アメリカのナスダック(NASDAQ)で上場しています。アメリカ、ヨーロッパ、中国・韓国系の会社に買収されることが多いですね。イスラエルは完全テック系が多いです。
日本では、平均3億円から5億円の買収が多いと思いますが、向こうだと100から200億円にものぼります。平均でいうとM&Aで200億円くらいです。
国内だけで見れば、2桁億円のバリュエーションになっちゃうと、もう上場しかなくなっちゃうし、ゴールが見えてしまいますよね。DFA Roboticsのように、利益がしっかりでている場合は買い手がつきますが、それ以外の会社は数億円前半になってしまう印象です。
上場は資金集め。ここはまだ海外の企業に比べ日本企業が下手なのかもしれません。
買収のためだけではないにしろ、どんどん売って、買っていくべきだと思います。
–––両者が潮流から汲み取った今後のトレンド事業、ロボティクスに期待する新たな活用方法とは?詳細は後編でチェック!
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DFAロボティクス 編集部
株式会社DFA Roboticsは、「次世代の社会インフラの創造」をビジョンに掲げ、最先端ロボットによる世界中の「ヒト」と「ビジネス」の価値向上を目指す企業で、情報を発信しています!
2021年11月より本格的に配膳ロボット事業へ参入し、約1年で3,250台以上を全国に導入。主要取扱製品は、ネコ型配膳ロボット、配膳/下げ膳/搬送の自律走行ロボットになります。豊富な設置・導入の知見とアフターサポート力やデジタル化・DX化の推進が特徴です。また配送ロボット、自動搬送の活用を目指した実証実験、導入サポート、販売なども行っており、社会問題を解決すべく世界のロボティックスを活用し未踏領域への挑戦をします。
公式X:https://twitter.com/DFAroboticsInc
ベラちゃんが飼い主さんのお店で立ち止まっていたら……
— ネコ型配膳ロボットのベラボット (@DFAroboticsInc) May 4, 2023
お耳の色をチェックしてみてにゃ😽😽
いつもは青いお耳が黄色い時は、コートや荷物を障害物と検知して動けなくなっているかも😭💦
赤い耳は迷子でパニック😵💫😵💫なので、飼い主さんを呼んでにゃ〜😢#ベラちゃんの豆知識 #DFAのBellaBot pic.twitter.com/C4IiU5Pw76
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