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【介護施設導入事例】特別養護老人ホームふるさとさま|配膳ロボット「PuduBot 2」
社会福祉法人ふるさと
特別養護老人ホーム ふるさとさま
長崎県西海市西海町川内郷1484番地
https://furusato-saikai.jp/tokuyo_b.html
・導入ロボット:配膳ロボット「PuduBot 2」4台
・カテゴリ:特別養護老人ホーム
・入居者数:80名(入所70名、ショートステイ10名)
・職員数:全体40名、配膳に関わる職員2〜3名
・活用シーン:食事の配膳、薬・洗濯物・書類等の運搬
■課題
・人手不足のため限られた人員で業務効率化する必要がある
・施設が広く、物の運搬に時間が取られる
・介護職員の間接業務を削減し、利用者ケアに集中できる時間を確保したい
■導入後の効果
・食事や物品の運搬をロボットが担うことで、介護職員が利用者ケアに集中できるようになった
・移動がなくなり、職員の身体的負担軽減
・DX化に取り組むことが若い世代へのアピールポイントとして人材確保にも寄与
社会福祉法人ふるさとが運営する「特別養護老人ホーム ふるさと」さまは、長崎県西海市に位置する施設。「ケアの原点は食にあり」をモットーに、地元で採れた新鮮で安全な農作物を調達し、毎食家庭的な献立で、入居者さまそれぞれの栄養状態に合った食事を提供している。
また、“セントラルキッチン”を採用し、クックフリーズ方式で10〜14日分の食事を一括調理・冷凍保存している先進的な施設だ。
今回は同施設の理事長 北島さま、施設次長 岩永さまに配膳ロボット導入の理由や活用方法についてお伺いした。
介護の質向上を目指し、ロボットで間接業務を自動化
北島さま「当法人では「自立支援介護」の実現を柱に掲げ、日々のケアの質を高める取り組みを重ねてまいりました。そうした中で、職員が本来果たすべき「人と人とのかかわり」に立脚したケアに集中できる環境づくりが、急務の課題となっていました。」
岩永さま「配膳業務など毎日決まった時間に行う定型業務を自動化することで、本来介護職がすべき利用者さまとのコミュニケーションや排泄介助、自立支援などに時間を有効活用できるのではないかという仮説と、長崎県の『介護テクノロジーの普及促進』という補助金を活用できるタイミングということもあり、配膳ロボット導入を進めることになりました。
施設内の移動距離は、最も近いユニットでも10m、遠いところは50m以上あり、職員が往復する負担が大きかったのですが、ロボットが運搬を担うことで、1フロアあたり1日70分程度の業務時間短縮につながると試算し、デモを実施しました。
職員の多くは飲食店で配膳ロボットを見たことがあり、イメージはあったものの介護現場で利用するのは初めての経験なので、正確に動くのか、また利用者さまとぶつかったりなど安全面に問題はないかが気になるポイントでした。」
DFA Roboticsでは、利用者さまのいるフロアといないフロアでそれぞれ走行スピードの調整を行った。
岩永さま「実際に使ってみて、操作性・安全性・効率化の点で問題ないことが確認でき、4台を導入することに決まりました。」
配膳だけじゃない!介護施設でマルチに活躍する驚きの活用術
配膳ロボット「PuduBot 2」は食事の配膳だけでなく、様々な場面で活躍している。
岩永さま「食事の配膳以外にも、洗濯物を運んだり、事務所から各ユニットへ報告書や回覧物などの書類の運搬、医務室から各ユニットへの内服薬ケースの運搬など、多岐にわたる用途で活用しています。
職員からはユニットに滞在する時間が増えたという声を聞いております。移動作業がなくなったぶん、利用者さまとのコミュニケーションや介助業務により専念できるようになりました。
専用のスマホアプリでロボットを遠隔から呼び出す機能も便利です。例えば私が事務所にいる際、遠いフロアに書類を届けたい場合にも、わざわざ歩いていかずにロボットに任せることができるようになりました。」
下記はロボット4台分の稼働データだ。月間平均2,970回の運搬を担い、職員の移動時間を月間489時間削減している。
導入から約7ヶ月が経過し、利用者さま・職員さまからの反応も上々だという。
岩永さま「利用者の方々からの反応もよく、ロボットに話しかける姿も見られました。職員も同様に親しみをもって接しており、施設全体の場が和やかな雰囲気になったと感じます。」
ロボットとの業務分担で、介護職員にしかできないことに専念
介護業界ではまだ配膳ロボットの導入は珍しく、長崎県でもほとんど例がない。そんな中、先進的な取り組みを行う同施設の今後の展望について伺った。
岩永さま「介護業界も慢性的な人手不足で、今後より一層深刻化していくでしょう。介護職員が本来やるべき利用者さまの生活の質の向上や、自己実現を叶えるためにも、人100%で仕事を回していくことから脱却し、ロボットを新しいパートナーとして捉えることが大切だと考えています。若い世代の人材確保においても、テクノロジーを積極的に活用する職場はアピールポイントになります。今回、配膳ロボットに加え、移乗用リフトやインカムなど複数のテクノロジーを一度に導入しましたが、一つずつ確実に定着させていくことを次のステップとして取り組んでいる最中です。」
北島さま「配膳ロボットの導入は、単なる業務効率化や人手不足への対処といった機能的側面にとどまるものではありません。テクノロジーを活用して間接業務を自動化することで、職員一人ひとりが利用者さまと丁寧に向き合う時間を確保し、心を通わせるケアの実践を後押しする ― まさに介護の本質を支えるための戦略的な投資だと考えています。
当法人では「NEXT KAIGO®」を旗印に、様々な取り組みを行っており、こうした変化を恐れず挑戦し続ける姿勢は、地域や求職者に対しても当法人の未来志向の姿を示すことにつながります。
今回のロボット導入が、介護現場における新たな可能性を切り拓く第一歩となることを期待しています。」
DFA Roboticsでは、「特別養護老人ホーム ふるさと」さまでの配膳ロボット活用定着に向けて、今後も伴走支援を行っていく。
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