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スタッフの歩行距離は毎日約20km。配膳ロボット導入によって、人手不足の中でも身体的負荷の削減に寄与
博多もつ鍋 やま中は福岡で知らない人のいない人気店。日々クオリティの高い食事はもちろん、その空間を楽しみたいと訪れるお客様であふれる中、コロナ禍から続く人手不足で業務は逼迫していた。より店舗の回転率を上げるためには、時間のかかる下げ膳を効率よく行うオペレーションが必要、という話から、下げ膳特化型配膳ロボット「Hola Bot(ホラボット)」を2022年5月に導入。結果、スタッフ一人あたりの業務負荷を改善するきっかけづくりに寄与した。
【お店紹介】
博多もつ鍋 やま中(赤坂店)
1984年に博多で創業したもつ鍋屋。創業当時には珍しかった味噌ベースの味付けは、九州産の味噌を数種類ブレンドした門外不出のレシピによってたちまち人気店に。国産牛の小腸だけを使うなど、食材へのこだわりによって、福岡県を代表しており、年々ファンが増え続けている。経営する3店舗の中で、赤坂点はブランドの中でも最も広い店舗。料理と共に空間も楽しめるよう、バレエをコンセプトにした内装が特徴。
コース料理を2年前から始めるなど、よりブランドの魅力を感じられるようメニューにも工夫を凝らしている。
「お客様の体験と回転率の向上」のために、たどり着いた配膳ロボットという選択肢
元々赤坂店はその店舗の広さやお客様の満足感向上のため、細やかなオペレーションを構築しており、コロナ前は20名のアルバイトも含め1日30人のスタッフが業務を行っていた。
ところが、コロナ禍に突入したことでアルバイト数は半分の10名に。コロナ期間が落ち着き、店舗に活気が戻った後、難航する採用活動のほかにも新しい取り組みを、と探していた時、東芝テックの展示会でDFAが紹介する配膳ロボットに出会ったという。
「弊社は1984年に創業した老舗のもつ鍋屋ですが、配膳ロボットという最新の技術、システムを導入するチャレンジも進んで行っております。
現在ホールで働いているスタッフたちはアルバイトを含めると、10代〜30代。エネルギッシュで新しい変化をキャッチする世代が多く在籍しています。時代を否定するのではなく、これから置いていかれないように、注文タブレットなども活用していこうと考え、今回の配膳ロボット導入も決めました。」
「コロナ前の来客層は、ビジネス街という立地や接待にも使用しやすい個室を完備していることもあり、サラリーマンや30代以上の方が多かったです。が、コロナ禍から最近にかけてはカップルや海外から旅行中の方々など幅広くご利用いただくことが増えました。
コロナ前と比較すると、現在は8割ほどまで戻ってきたかと感じています。
毎日満席でご予約をいただく中、コロナ中に減ってしまったスタッフ数は戻らず、フロア別に配置しているホール係や受付、エントランス係など、どのチームも人手が足りていない状態で...。
そのような中で、お客様がお帰りになられた後のバッシングにどうしても時間がかかる場面が増えてきました。お客様を待たせず、かつ席の回転数を向上させるためにどうしたら良いかを検討した結果、下げ膳特化型の配膳ロボット「Hola Bot(ホラボット)」の導入を進めることになったんです。」
Hola Bot(ホラボット)だからこそ、店舗の雰囲気はそのまま活用可能
店内は高校生未満の入店を禁止し、シックな雰囲気の中で食事を楽しむことができる。
その中にロボットを導入する、と決め、すぐに下げ膳特化型配膳ロボット「Hola Bot(ホラボット)」のテスト導入を開始。
テスト導入初日には、社員はもちろん社長も一緒にDFAの導入の様子を確認。DFAスタッフも、活用方法のイメージやロボットの待機場所候補について一緒に検討しながら設置を進めた。
「実際にロボットが店舗へ到着し、DFAの方が設置してくれている時にも、いろんなスタッフからさまざまな質問をさせていただきました。誰もロボットと一緒に仕事をしたことがなかったので、操作や活用できるかどうか不安だったためです。
実際には、DFA側でロボットの待機場所や走行ルートを全てプログラミングしてくれたので、あとはテーブル番号を押して出発させるだけ!という感じでした。
また、赤坂店の店内はバレエにまつわるストーリーを大事にしており、装飾や雰囲気に馴染むのかな?と思っていました。ですが、ロボット自体のデザインが目立ちにくく、バッシングで集めた使用済み皿も見えにくくなっていたので印象を損なうことなく稼働できており、安心しました。」
赤坂店の店内の特徴の一つに、ホールから洗い場までの距離が長いという点が挙げられる。これによって、これまで台車を使わず洗い場まで食器を下げていたスタッフの平均歩行距離は1日20kmになることもあったという。
「赤坂店の間取りは洗い場までのリーチが長く、スタッフは店内で1日20km歩いています。
バッシングはそれまで全て台車を使わず、手持ちでした。鍋は両手で、そのほかはお盆に乗せてバッシングしていたため、1卓2往復は必要ですし、身体的負担が大きかったです。
それを、Hola Bot(ホラボット)は1回で3卓分運ぶことができ、洗い場まで持ってきてくれるんです。実際に営業中に使用した初日は、バッシングの際も身体的な負荷が少なく感動しました。」
スタッフ同士が連携し、活用オペレーションを構築
テスト導入直後から、社員スタッフはアルバイトへの使い方レクチャーに移った。
「社員側でも、操作が難しいと感じる人も少なくなかったです。アルバイト全員に活用方法を説明しなければいけないので、初めの頃は苦戦しました。けれど、何度も教えていくうち社員も理解し、アルバイト側も「こう使った方が効率がよい」「この使い方からこう変えたい」など意見をあげてくれる子が多かったので、全員で使い方をブラッシュアップさせることができました。」
最初の頃は、インカムで「○卓にロボットください」「その次○卓に移動させて」など何度もやりとりをしていたが、現在はロボットを使用しているスタッフが、「もうすぐ○卓にロボットが必要だな」と気づくと、「○卓にロボット移動させてます」など円滑に次の場所へとロボットを向かわせ、すぐに下げ膳を進めるられるように変化。スタッフ全員でロボットありきのオペレーションを構築していった。
もっと活用したい!配膳ロボットに期待するポイント
2023年、下げ膳特化型ロボット「Hola Bot(ホラボット)」の活用方法について、やま中 赤坂店ではさらにワンステップ上の運用へと変化させていきたいのだとか。
「洗い場まで食器を持っていくロボットは、働くわたしたちからすると本当にありがたい存在です。
ですが、やはり満席でお出迎えや注文、バッシングと忙しくなると、どうしても人の手で運ぶ方が早いので使用頻度が2〜3割程度に減ってしまいます。
カトラリーなど細かい食器はロボットに運ばせることができますが、当社のメイン料理であるもつ鍋は、お客様の残したスープの量によっては手持ちでないと運べないことも。
洗い場のスタッフは別フロアのホールスタッフなので、全フロアが忙しいとなかなかロボットが戻ってこない、という時もあります。
DFAと協力して、今後さらに活用しやすい使い方やスタッフのオペレーションも変更していきたいです。」
DFAでは、導入後のアフターサポートとして、トラブルシューティングはもちろん活用提案も行っている。やま中 赤坂店のように、オペレーションの変化が必要な店舗と一緒に伴走する点も特徴のひとつ。困った時にDFAなら助けてくれる、という存在を目指し、今後も一気通貫でサポートを進めていく。
■DFA 編集部
DFA Roboticsは、「次世代の社会インフラの創造」をビジョンに掲げ、最先端ロボットによる世界中の「ヒト」と「ビジネス」の価値向上を目指す企業です。2021年11月より本格的に配膳ロボット事業へ参入し、約1年で3,250台以上を全国に導入。豊富な設置・導入の知見とアフターサポート力が特徴です。
公式X:https://twitter.com/DFAroboticsInc
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