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約3.5人分の業務工数削減を実現!
配膳ロボットは人手不足解消の一手からエンターテイメントとして必要な存在へ
静岡県伊豆の国市にある香湯楼井川は、創業100周年の人気旅館。モダンな作りが人気で、30代の旅行者が多く宿泊する人気旅館だが、内部では社員が一部退職するなど、人手不足が発生し始めていた。すぐにでも欠員を補充するため、求人掲載も検討する中、DFA Roboticsと協業する東芝テック株式会社へネコ型配膳ロボット「Bella Bot(ベラボット)」について問い合わせ、テスト導入を開始。DFAは、設置・導入を担当した。
結果、配膳ロボットを飲み物の配膳として稼働させるオペレーションや元々の食事会場のシステムを改革し、これまで9名程度で運営していたところを5〜6名で運営できるように。業務効率改善に寄与し、人手不足を解消。さらに、お食事を楽しむお客様へのエンターテイメントとしても活用している。
人手不足から導入を決め、DFA Roboticsとともに食事会場全体のオペレーションを改革
訪れるお客様が何度もリピートしたくなる、という香湯楼井川。スタッフはコロナ禍でもおもてなしに注力していたが、アフターコロナの旅行支援割が発表されてからの忙しさに驚き、退職してしまうスタッフもいたという。満室の状態でスタッフの欠員が出てしまい、香湯楼井川の食事会場ではお客様への接客ペースが崩れてしまうこともあった。
井川様「今回配膳ロボットの導入を決めた食事会場は、ピークタイムでホールに5〜6名、裏方3名程度で1回2部制で営業していました。働いているスタッフは20〜30代が多いのですが、コロナ禍で入社した新卒スタッフはアフターコロナで忙しく働くことに慣れておらず、一部退職してしまい...。スタッフの欠員は店舗運営上大きな痛手だったため、すぐに求人を出したんです。ですが、採用するには時間がかかりますよね。
1日でも早くこの状況を打開したいという思いで色々調べているうち、配膳ロボットの猫ちゃんを見つけ、数社に問い合わせをしたのがきっかけで、東芝テック経由でDFA Roboticsにテスト導入を依頼することになりました。
そこからのスピードはとても早かったです。問い合わせから打ち合わせして、次の週にはデモ機を持ってきてくれました。私たちが想定していた活用シーンは畳の上での走行がマストだったのですが、DFA Roboticsにはさまざまな走行シーンの知見があり、畳の上でも走行できると言ってくれたので心強かったです。」
“オペレーション改革”で3.5人分の業務工数を削減
テスト導入からは、DFA Roboticsとともに配膳ロボットの活用方法をブラッシュアップするとともに、これまでの店舗オペレーションを変更するなどさまざまな角度からテコ入れを始めた。
井川様「人手不足を解消するために、元々オペレーションに関して変革が必要だったので、まず、料理の出し方から変更しました。お客様が着席時に出せるお料理は全てテーブルに乗せ、ごはん・香の物・お吸い物はバイキングに変更。料理を楽しみながらお酒を飲む方も少なくなってきていますので、よく依頼されるお水やお茶もセルフで取れるように変えたんです。
さらに、配膳が必要なお飲み物に関して、代わりに配膳ロボットが配膳するようにしたことで、結果、スタッフ3.5名分の業務工数を削減できました。
他の機体も試してはみましたが、配膳ロボットの見た目のかわいらしさやお客様の反応の良さ、5年間の費用対効果で考えた時に、2023年4月、DFA Roboticsでネコ型配膳ロボット「Bella Bot(ベラボット)」を本導入することに決めたんです。」
本導入後は配膳ロボットを下げ膳サポートとして活用し、スタッフはお客様と触れ合う時間の多い接客、配膳をメインで行うように。ロボットと人の役割分担で、業務効率を向上させた。
井川様「実際に導入して、操作性の良さはもっと他の方にも知って欲しいと思いました。“うちの店は働き手が高齢だから”、“スタッフに使い方を教える時間がないから”と思われる方もいるかもしれませんが、香湯楼井川では年配のスタッフも使いこなしています。
DFA Roboticsは、畳の継ぎ目部分など飲み物がこぼれやすい箇所について何度も走行する場所を検証し、調整してくれました。
現在はバースデーモードも活用。これまでスタッフがお客様へ声かけをしていましたが、配膳ロボット導入後はバースデーソングを歌いながらロボットが先頭を進んでくれています。会場全体がワッと盛り上がることが多いので、エンターテイメントとして楽しんでいただけていると感じます。」
配膳ロボット活用の展望
配膳ロボットを導入したことによる変化は、求人応募にもつながった。
これからより働きやすい環境を作り、個人の能力に関係なく仕事ができるよう、今後も配膳ロボットをフル活用していきたいという。
井川様「働き方が改革されたことにより、アルバイトは求人から採用しやすくなりました。拘束時間が決まっていて無駄な残業が発生しない仕組みができ、管理する側も人件費等を計算しやすくなっています。
今後は、さらに配膳ロボットを活用するために、活用バリエーションを増やしていきたいと考えています。
ロボットに乗せやすい形状の備品を準備するなど、ロボットありきの運営を推進していきたいです。結果、スタッフ一人一人が楽に、ペースを崩さずに働きやすい環境を作れればと思います。」